接遇とは?
サービス業をはじめとする接客業では、接遇が求められていることは良く耳にすると思いますが、介護や医療の現場においても接遇が求められており、初期研修や新入社研修では研修項目として取り入れられています。今回は、介護における「接遇」がどのようなものなのかをご紹介します。
介護における接遇とは?
接遇とは、「おもてなしの心をもってご利用者様に接する」という意味をもちます。介護現場では、ご利用者様との信頼関係や円滑なコミュニケーションを築くために不可欠なものとなっています。
高齢化がすすむ中、介護施設に求められるニーズは多様化しており、介護現場では「介護の質」が求められる傾向にあります。質の高いサービスを提供するためにも、接遇は現場に求められるスキルと言えるでしょう。
介護における接遇マナーの5原則
接遇マナーは、挨拶、言葉遣い、態度、表情、身だしなみの5つが基本です。
ご利用者様と信頼関係を築く上でとても大切になってきます。
1.あいさつ
挨拶はコミュニケーションの基本です。相手の目を見てにこやかに挨拶をすることや敬意をこめて挨拶をすることがとても大切です。気持ちがこもっていない挨拶や目も合わさずに挨拶をすることは、逆に相手に不快感を与えてしまいます。
【あいさつのPOINT】
・にこやかに挨拶(マスク着用時も)
・相手の目を見て挨拶
・気持ちや敬意をこめて挨拶
・自分から挨拶をする
・大きな声、元気よく挨拶、声のトーンも大切
2.言葉遣い
ご利用者様に対する言葉遣いは、敬語が基本です。敬語は相手を尊重し敬う気持ちを表します。極端にかしこまったりよそよそしい言葉や堅苦しい言葉をつかう必要はありませんが、丁寧な話し方や言葉遣いを前提として、ご利用者様にあわせて臨機応変にコミュニケーションをとることで信頼関係を築くことが大切です。
【言葉遣いのPOINT】
・敬語を基本とした会話
・丁寧な言葉を選んで会話をする
3.態度
職員の立ち振る舞いは、ご利用者様とコミュニケーションをする上でとても大切になります。立ち方、歩き方、話の聴き方、物の受け渡し方など、一つひとつの動作で相手に与える印象が変わります。腕を組んで仁王立ちしながらご利用者様と話をしたり、脚を組んで作業したり、一つひとつの動作が雑になっていないでしょうか?特に会話をするときは、目線の高さをご利用者様と同じにするのが基本とされています。椅子に座っているご利用者様と話すときは、かがんだり、しゃがんだりして目線の高さを合わせるようにすると良いでしょう。
【態度のPOINT】
・姿勢(背筋をのばす)
・腕や脚を組まない
・利用者様と目線の高さを合わせて会話をする
・ていねいな立ち振る舞いを意識する
4.表情
ご利用者様と話をするときは、相手の目を見てにこやかな表情でお話をすることが大切です。ご利用者様は、職員の表情や態度をとてもよく見ています。しんどそうな表情や硬い表情をしていると、ご利用者様は気軽に話しかけることができません。忙しいときもできるかぎりにこやかな表情でいると親しみやすさも生まれます。
特にコロナ禍では感染症対策で職員全員がマスクを着用していますので、相手に職員の表情が伝わりづらくなります。しかし、マスクを着用していても口元の口角を上げるだけで、目元の表情が柔らかく相手に伝わりますので、マスク着用時も表情を意識することを心がけましょう。
【表情のPOINT】
・常ににこやかな表情(マスク着用時も)
・口角を上げる
・相手の目を見て話す
・親しみやすさ
5.身だしなみ
介護現場では、ご利用者様の体に直接触れることが多いため、身だしなみは安全性や機能性、清潔感が求められます。安全性・機能性とは動きやすい身だしなみで、ご利用者様にケガをさせないような安全な身だしなみが必要になります。爪は短く切る必要がありますし、アクセサリーは外す必要があります。また、清潔感のある身だしなみは相手に好印象を与えます。不快感を与えない清潔な身だしなみを心がけ、メイクや服装、髪型にも気を配りましょう。
まとめ
接遇はお客様により良いサービスを提供するために必要なスキルのひとつです。ご利用者様の尊厳を守り、安心安全なサービスを提供するためにも、正しい接遇マナーを身に付ける必要があります。接遇マナーの基本5原則を一つずつ意識して行うようにすれば、自然とできるようになるでしょう。